理事長の部屋
最終更新日:2018.02.08
平成30年度施政方針
平成30年石巻地区広域行政事務組合議会第1回定例会に、「平成30年度一般会計予算並びに諸案件」を提案するにあたり、本組合の運営に取り組む施政の方針を御説明し、議員並びに圏域住民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。
さて、東日本大震災の発生から間もなく7年が経過しようとしております。石巻市をはじめ組織市町の復旧・復興の取組は、住まいの再建、地域コミュニティの再生、産業基盤の整備など着実に目に見える形で進んでおり、引き続き、復興の新たなステージに応じた被災者支援など各種復興事業の進展に応じ、既存の事業の成果を検証しつつ、効率化を進めた真に必要な事業実施への対応が求められております。
組織市町においては、平成30年度も引き続き、「震災復興基本計画」等の確実な実行を図るため、財源についても重点的に配分しなければならない中で、徹底した歳入確保策及び歳出削減策に取り組んでいる状況から、本組合といたしましても、石巻圏域の共同処理事業について、事業内容を精査し経費の節減に努めながら、効率的な事業運営に取り組んでいく所存でございます。
それでは、石巻圏域の今後を見据えつつ、平成30年度本組合の共同処理事業を実施するにあたり、重点的に取り組むべき施策の考え方について、御説明申し上げます。
初めに、ふるさと市町村圏基金事業でありますが、圏域一体感のある文化振興及び地域産業振興事業としての、「おにぎり大使派遣事業」、「社会教育施設等無料開放事業」、「圏域紹介事業」、「ふるさと探訪ツアー事業」の4つの事業を今年度も実施してまいります。
石巻圏域の将来を担う小中学生の人材育成として、圏域の伝統や文化の継承、さらに国際性、主体性、自主性を育成し、生き生きと活動できる場を提供してまいります。また、東日本大震災から復旧復興が着実に進んでいる様子を圏域内外に発信し、体感していただき、地域に密着した事業を柔軟な姿勢で積極的に進めてまいります。
次に、介護認定審査事業でありますが、東日本大震災による住民の生活環境の変化の影響などに伴い、また、石巻圏域の高齢化率の上昇により、介護認定審査会の任務もさらに重要なものとなってきております。介護保険法の改正を見据えて、今後も組織市町との連携を図りながら、公平・公正で迅速な審査判定を行うため、審査会の開催及び適正な介護認定審査会の運営に努めてまいります。
次に、圏域住民の生活に直結する重要な事業であります清掃部門の石巻広域東部、西部衛生センター、石巻広域クリーンセンターの3施設の運営でありますが、東西両衛生センターにつきましては、稼働以来22年を経過していることから、長期整備計画に基づき、主処理設備を中心とした整備、精密機能検査等を計画的に実施することにより、効率的な安定稼働を推進し、衛生環境の向上に努めてまいります。
また、クリーンセンターにつきましては、ボイラー及びタービン等の法定点検を適切に実施することにより、施設の安定稼働に努め負担軽減を図りながら、環境保全に努めてまいります。さらには、圏域復興の進展に伴い、仮設住宅等からの移転に係る家庭ごみや新蛇田地区を中心とした飲食店等の事業所ごみの増加が見込まれることから、組織市町との連携を図り、臨時開場も考慮しながら適切な受け入れ態勢に努めて参ります。また、昨年は清掃施設検討委員会を立ち上げ、本年度中に清掃施設整備方針を作成するところでありますが、組織市町の将来の人口減少などにより、財政運営も一段と厳しくなることが予想されることから、組織市町との連携を強化し、し尿処理施設・ごみ処理施設の延命化に向けた具体的な検討を進めてまいります。
次に、常備消防でありますが、火災、救急、救助をはじめ、風水害や震災等各種災害の対応と火災予防に係る出火抑止対策に万全を期すため、国や県への職員派遣及び各種研修、訓練を通して人材育成を推し進め、消防技術の更なる向上を図るとともに、更新計画等により消防車両や各種装備の維持強化に努めてまいります。特に、東日本大震災の教訓を踏まえ、救助体制と緊急消防援助隊応援及び受援に係る体制の充実を図るため、救助工作車1台を新規購入・配備し、平成31年度には救助隊を1隊増隊する計画としております。
また、東日本大震災で被災した鳴瀬出張所が4月1日から新庁舎での運用を開始します。これに併せて、「矢本消防署」の名称を「東松島消防署」に変更する予定であります。さらに、雄勝出張所にあっては、平成30年度内に庁舎が本復旧する見込みとなっております。この鳴瀬出張所及び雄勝出張所庁舎の復旧に併せて、組織市町の行政区域を基礎とした消防署管轄区域の見直しを順次行い、組織市町及び関係機関との更なる連携強化を図ってまいります。
以上が、平成30年度における広域行政事務組合としての主な取り組みの概要であります。
議員各位並びに圏域住民の皆様におかれましては、広域行政事務組合の運営に対し、一層の御理解と御支援を賜りますよう、衷心よりお願い申し上げまして、私の平成30年度の施政方針とさせていただきます。