理事長の部屋

最終更新日:2017.02.17

平成29年度施政方針

平成29年石巻地区広域行政事務組合議会第1回定例会に、「平成29年度一般会計予算並びに諸案件」を提案するにあたり、本組合の運営に取り組む施政の方針を御説明し、議員並びに圏域住民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。

さて、東日本大震災の発生から間もなく6年が経過しようとしておりますが、いまだに仮設住宅等で不自由な生活を余儀なくされ、不安を抱かれている住民が多くおられます。石巻市をはじめ組織市町の復旧・復興の取組は、着実に進んできており、目に見える形で復興が進んできておりますが、今後も、「住まいの再建」や各種復興事業の更なる加速化に向けて進取果敢に取り組むとともに、復旧にとどまらない抜本的な再構築に向けた「創造的な復興」への対応が求められています。

組織市町においては、平成29年度も引き続き、「震災復興基本計画」の確実な実行を図るため、財源についても重点的に配分しなければならない状況から、本組合といたしましても、石巻圏域の共同処理事業について、事業内容を精査し経費の節減に努めながら、効率的な運営に取り組んでいく所存でございます。

それでは、石巻圏域の今後を見据えつつ、平成29年度本組合の共同処理事業を実施するにあたり、重点的に取り組むべき施策の考え方について、御説明申し上げます。

初めに、ふるさと市町村圏基金事業でありますが、石巻圏域の将来を担う核となる人材育成事業としての「おにぎり大使派遣事業」を柱とし、「社会教育施設無料開放事業」、「圏域紹介事業」、「ふるさと探訪ツアー事業」の4事業を今年度も引き続き実施いたします。

石巻圏域に育む伝統や文化の継承、さらに、国際性、主体性、自主性を育成し、生き生きと活動できる場を提供するとともに、東日本大震災から復旧、復興が着実に進んでいる様子を圏域内外に発信、体感していただき、地域に密着した事業展開を柔軟な姿勢で積極的に進めてまいります。

次に、介護認定審査事業でありますが、東日本大震災による住民の生活環境の変化の影響などに伴い、また、本広域圏の高齢化率の上昇により、介護認定審査会の任務もさらに重要なものとなってきております。

介護保険法改正による「介護予防・日常生活支援総合事業」の実施を踏まえ、今後も組織市町との連携を図りながら、公平・公正で迅速な審査判定を行うため、適正な介護認定審査会の運営に努めてまいります。

次に、圏域住民の生活に直結する重要な事業であります清掃部門の石巻広域東部、西部衛生センター、石巻広域クリーンセンターの3施設の運営でありますが、東西両衛生センターにつきましては、稼働以来約21年を経過していることから、点検整備計画に基づき、両衛生センター共に汚泥焼却設備を中心に点検整備を実施することにより、施設の延命化と安定稼働を推進し、衛生環境の向上に努めてまいります。

次に、クリーンセンターにつきましては、タービン発電機の更新を中心とした点検整備の適切な実施により、施設の延命化と安定稼働の維持に努め、施設の負担軽減を図りながら、衛生センター同様環境保全に努めると共に、復興公営住宅、高台移転等の圏域復興の進展に伴い、仮設住宅等からの移転に係る家庭ごみの増加が見込まれることから、組織市町と連携を図り、適切な受け入れ態勢に努めてまいります。

また、組織市町において将来人口の減少等に伴い、財政運営もより厳しくなることが予想されることから、組織市町の廃棄物処理計画を基に、各施設の効率的な整備・運営について検討してまいりたいと考えております。

次に、常備消防でありますが、火災、救急、救助をはじめ、風水害や震災等各種災害の対応と、火災予防に係る出火抑止対策に万全を期すため、研修、訓練を通して消防技術の更なる向上を図るとともに、更新計画等により消防車両2台、災害用ゴムボート3艇を購入するなど消防装備の強化に努めてまいります。

また、東日本大震災で被災した消防庁舎の本復旧につきましては、東松島市において、平成29年度に鳴瀬出張所の庁舎復旧が見込まれておりますが、残る北上出張所、雄勝出張所、女川消防署の消防庁舎につきましても、組織市町の復興計画と歩調を合わせて密接に協議し、管内消防署所の体制強化を図ってまいります。

以上が、平成29年度における広域行政事務組合としての主な取り組みの概要であります。

議員各位並びに圏域住民の皆様におかれましては、広域行政事務組合の運営に対し、一層の御理解と御支援を賜りますよう、衷心よりお願い申し上げまして、私の平成29年度の施政方針とさせていただきます。