理事長の部屋
最終更新日：2016.02.17
平成28年度施政方針
平成２８年石巻地区広域行政事務組合議会第１回定例会に、「平成２８年度一般会計予算並びに諸案件」を提案するにあたり、本組合の運営に取り組む施政の方針を御説明し、議員並びに圏域住民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。
さて、東日本大震災の発生から間もなく５年が経過しようとしておりますが、いまだに仮設住宅等で不自由な生活を余儀なくされ、不安を抱かれている住民が多くおられます。
石巻市をはじめ組織市町の復旧・復興の取組は、着実に進んできておりますが、復旧にとどまらない抜本的な再構築に向けた「創造的な復興」への対応に加え、被災者の生活再建や地域経済の再生については更なる加速が求められています。
また、今年は、新たに「復興・創生期間」がスタートする節目の年であり、これまでの「集中復興期間」に取り組んできた様々な事業を着実に進め、復興を確かなものとする重要な年と考えております。
組織市町が「震災復興基本計画」の確実な実行を図るため、財政的に厳しい中、本組合といたしましても、石巻圏域の共同処理事業について、事業内容を精査し経費の削減に努めながら、効率的な運営に取り組んでいく所存でございます。
それでは、石巻圏域の今後を見据えつつ、平成２８年度本組合の共同処理事業を実施するにあたり、重点的に取り組むべき施策の考え方について、御説明申し上げます。
初めに、ふるさと市町村圏基金事業でありますが、石巻圏域の伝統・文化・産業の将来を見据え、子供たちの国際性、主体性、自主性の育成をしていく「おにぎり大使派遣事業」、「ゆうゆうパスポート事業」、また、東日本大震災から力強く復興してきている様子を、圏域内外に発信し、感じ取ることのできる「圏域パンフレット作成事業」、「ふるさと探訪ツアー事業」の内容をより充実させ、地域に密着した事業展開を積極的に進めてまいります。
次に、介護認定審査事業でありますが、東日本大震災による住民の生活環境の変化の影響などに伴い、また、石巻圏域の高齢化率の上昇により、介護認定審査会の任務もさらに重要なものとなってきております。今後も組織市町との連携を図りながら、公平・公正で迅速な審査判定を行うため、判定件数の増加に応じた審査会の開催及び適正な介護認定審査会の運営に努めてまいります。
次に、圏域住民の生活に直結する重要な事業であります清掃部門の石巻広域東部、西部衛生センター、石巻広域クリーンセンターの３施設の運営でありますが、東西両衛生センターにつきましては、稼働以来２０年を経過していることから、点検整備計画に基づき計画的な点検整備を実施してまいります。東部衛生センターは、貯留槽撹拌ポンプを含めた各種ポンプ定期点検を整備し、西部衛生センターは、各コンベヤ定期点検等を重点にそれぞれ整備することにより、両施設の延命化と安定稼働を推進し、衛生環境の向上に努めてまいります。
クリーンセンターにつきましては、２年に１度のボイラー法定点検及び溶融炉耐火物補修整備の適切な実施により、施設の延命化と安定稼働の維持の務め、施設の負担軽減を図りながら、衛生センター同様環境保全に努めてまいります。今後、復興公営住宅整備や、高台移転等の生活再建事業の進展に伴い、仮設住宅等からの移転に係る家庭ごみの増加が見込まれることから、組織市町との連携を図り、臨時開場も考慮しながら適切な受け入れ態勢に努めてまいります。
また、組織市町の将来の人口減少などにより、財政運営も一段と厳しくなることが予想されることから、今後策定される石巻市、東松島市及び女川町の廃棄物処理計画を基に、組織市町との連携を強化し、し尿処理施設・ごみ処理施設の効率的な運営について検討して参りたいと考えております。
次に、常備消防でありますが、火災、救急、救助をはじめ、風水害や震災等の各種災害対応に万全を期すため、消防活動が的確かつ迅速に行われるよう研修、訓練を通して消防技術の更なる向上を図るとともに、更新計画等により消防車両４台を購入するなど消防体制の強化に努めてまいります。
なお、平成２８年度は、旧石巻市内の署所再編計画に基づき、石巻市において建設を進めております（仮称）石巻東消防署の完成が見込まれます。引き渡しの後、運用開始に併せて石巻消防署湊出張所、渡波出張所を廃止いたします。
また、東日本大震災で被災した北上、鳴瀬、女川、雄勝の消防庁舎の本復旧につきましては、組織市町の復興計画と歩調を合わせて、密接に協議をしてまいります。
以上が、平成２８年度における広域行政事務組合としての主な取り組みの概要であります。
議員各位並びに圏域住民の皆様におかれましては、広域行政事務組合の運営に対し、一層の御理解と御支援を賜りますよう、衷心よりお願い申し上げまして、私の平成２８年度の施政方針とさせていただきます。